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韓流バレエ『沈清』


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 「ロシアにボイラーを輸出するのは、バレエを輸出するほど難しい」。2011年に放映されたあるボイラー会社のテレビ広告のキャッチコピーだ。ボイラー輸出の広告だが、バレエの宗主国ロシアの敷居がそれだけ高いという意味だ。

 12年5月、ユニバーサルバレエ団(UBC)がモスクワのスタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコ国立モスクワ音楽劇場の招請で創作バレエ『沈清(シムチョン)』を公演した。韓国バレエ史の事件だった。当時、現地有力紙のコメントは「東・西洋文化の素晴らしい調和を目撃した」と激賞した。

 その時にロシア人の心の琴線に触れた沈清が17日に開かれた第3回「芸術の殿堂 芸術大賞」で大賞を受賞した。沈清は30年余りの間、国内はもちろん全世界15カ国40以上の都市で称賛され、バレエ韓流を開拓した成果が認められての受賞だという。沈清は今年、芸術の殿堂の映像化事業『SAC on Screen』作品にも選定され、文化の疎外地域でスクリーンを通して公演されるという。

 バレエ沈清が誕生した背景はこうだ。UBCの初代芸術監督エイドリアン・デラス氏が娘のために本屋に行って童話『沈清』に出会った。ストーリーに魅了された同氏はバレエ作品にすることを決心。作曲家のケビン・バーバー・ピッカード氏と共に西洋では珍しい「孝」を基盤にした脚本、韓国的な踊りがとけ込んだ振り付けに甘美な音楽が加味し、2年余りの作業の末に1986年に完成した。

 第1幕で盲目の父の目を直すために(海を鎮める供え物として)船に乗り込む沈清の哀切な姿、第2幕での海中の竜宮で繰り広げられる華麗な踊り、第3幕の恋に落ちた沈清と王が繰り広げる“ムーンライト・ハドドゥ(男女2人による踊り)”などが圧巻だ。

 バレエの風土が不毛で命脈の維持すら難しい現実の中で、創作バレエ沈清を30年以上も公演し続けてきたUBCの受賞に誰もが拍手を送っている。文薫淑(ムンフンスク)団長は「引退前に必ず成し遂げたい夢がある」と語る。(韓国の民話を素材にした)創作バレエの3作品を完成させることだ。『沈清』(1986年)、『バレエ春香(チュニャン)』(2007年)に続いて、数年内に『フンブ・ノルブ』も創作バレエとして完成させたいという。

 「孝、愛、兄弟愛というわが国の固有の情緒を織り込んだ3作品をもって世界を回り、“Kバレエ”を披露したい」。彼女の夢であり韓国バレエの願いを応援したい。

 (2月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。