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最高齢の記録王


国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 カエサル、リンカーン、エジソン、丁若鏞(チョンヤギョン)(朝鮮後期の実学者)。彼らの共通点は、とんでもないメモ魔だった点だ。地上の王座に就き、膨大な創作物を残した秘訣(ひけつ)はメモの習慣だった。英雄の非凡さの裏には凡人が真似(まね)することができない記録の力があったのだ。

 発明王エジソンは常に黄色いノートを持ち歩いていた。見聞きしたことやありとあらゆるアイデアをノートに書いた。死後、彼が残したノートはなんと3400冊に達した。彼の驚くべき発明もノートに記した多くのアイデアを実験に移して可能になった。茶山・丁若鏞(茶山は号)もまたエジソンに劣らないメモ魔だった。茶山は読書で収集した多様な情報とアイデアを記録して体系的に分類した。彼が配流時代を過ごした全羅南道康津の碑石にはこのような文章が刻まれている。「夜明け前に起きよ。記録することを好きになれ。休まず記録せよ。考えが浮かべば随時記録せよ。記憶は曖昧になり考えは消える。頭を信じず手を信じよ」。

 メモにはお金と幸運が従う。信じられないなら、サムスン創業一族のメモの伝統をみよ。李健熙サムスン電子会長は時と場所を分かたずメモする習慣があった。役員昇進者にメモをたくさん取るようにと万年筆をプレゼントするほどだった。彼の習慣は父親の故李秉喆会長から学んだものだ。父親は朝起きて一番最初にするのがメモだった。メモ帳にはその日行う事から買う本まで細かく記されていた。メモの伝統は孫の李在鎔副会長にも伝授されている。違っているのは紙ではなくスマートフォンを使うという事実だ。李副会長はスマートフォンに些細(ささい)な日常まで記録することで有名だ。

 忠清北道忠州のイム・デギュ氏が“最高齢メモ王”になった。今年82歳のイム氏は家のさまざまなことから主要なニュースまで38年間、カレンダーに記録している。「台湾6・4大地震、17階マンションがもろくも崩れる」など。板の間にかかったカレンダーには細かい文字がぎっしり詰まっている。部屋と板の間は“カレンダー日記”と各種の記録物であふれている。イム氏は訴訟でカレンダー日記を証拠物件として提出し、ゴリアテのような商人たちに勝訴したこともある。記録が成し遂げた奇跡だ。

 「天才の頭より一本のちびた鉛筆の方がいい」。ドイツに伝わる諺(ことわざ)だ。いち早く生物学者ダーウィンが言ったではないか。適者(チョクジャ)生存! 人間は記す者(チョクジャ)こそが生存できるのだ。 (2月22日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。