世界日報 Web版

成熟した関係を象徴


地球だより

 天皇皇后両陛下が26日にフィリピンを訪問された。本来なら国賓は副大統領が出迎えるが、今回はアキノ大統領が自ら出迎えた。これは昨年にフィリピンを訪問したローマ法王に匹敵する最大級の歓迎ぶりと言える。

 言うまでもなく、カトリックが国教のようなフィリピンにおいて、ローマ法王は非常に特別な存在である。今回の両陛下に対する歓迎ぶりは、比日両国の信頼関係が戦後、最も良好なレベルに達したことを感じさせるのに十分なものだった。

 現地メディアの報道を見ても好意的な内容のものが多い。ミンダナオ島を拠点とするイスラム勢力との和平プロセスへの積極的な協力や、災害時の迅速な救援物資の提供、さらには南シナ海での中国との領有権問題における支援などが高く評価されている。安倍政権の外交が両国の信頼を強く育み、今回の大歓迎に結び付いたと言えよう。

 依然としていわゆる従軍慰安婦問題が取り上げられることもあるが、フィリピン政府は一貫して冷静な判断を保っており、外交に深刻な影響は与えていない。国民の平均年齢が23歳という未来志向のフィリピンは、アジアにおける日本の強力なパートナーとなる潜在能力を秘めている。

 日本政府はフィリピン人の家政婦を受け入れる方針を固めており、今後、両国の人的な交流が加速されることは確実だ。出生率が高いフィリピンと少子化問題を抱える日本は、互いにうまく助け合っていけるだろう。民間レベルでも、さらに両国の理解が深まることを願いたい。

(F)