世界日報 Web版

渋滞対策に武装警官投入


地球だより

 もはや末期状態となっているマニラ首都圏の渋滞問題。経済発展に伴い、増える一方の自動車に、道路や鉄道などの渋滞対策がまったく追い付いていないのが原因だ。そんな状況の中、アキノ大統領が、首都圏の大動脈であるエドサ通りの渋滞解消策の切り札として、警察官の配備を決定し物議を呼んでいる。

 フィリピンでは基本的に交通違反に目を光らせるのは警官ではなく、首都圏開発局や各市の職員である交通監視員(トラフィック・エンフォーサー)の仕事となっている。二者の大きな違いは警官は銃で武装しているが、交通監視員は丸腰ということだ。つまり今回の対策は、銃を持った強面の警官を配備して、渋滞の原因となる無謀運転を抑制するというもの。ちなみに銃を持たない交通監視員は、摘発に不満を持つ運転手に暴行を受けることも珍しくない。

 渋滞の根本的な解決にはならないが、既存の警官を利用して少しでも交通の流れが良くなるのなら市民にとっては喜ばしいことだ。しかしながらバスやジプニーなどの運転手からは、交通違反を理由に袖の下を要求する警官の恐喝行為への心配の方が大きいようだ。このような懸念に対し警察当局は、運転手と疑わしい交渉をしないために、違反切符を30秒以内に発効するよう警官たちに指示。大統領府の報道官も「警官にチャンスを与えてほしい」と理解を求めている。

 果たして銃口の無言の威嚇によって渋滞は解消できるのか。市民の注目が集まっている。

(F)