トップコラムトランプ流おもてなし【上昇気流】

トランプ流おもてなし【上昇気流】

トランプ米大統領(右)と中国の習近平国家主席(EPA=時事)

米中首脳会談でトランプ大統領の習近平国家主席に対する歓待ぶりが話題になった。トランプ氏自身がわざわざ出迎えただけでなく、両首脳のセレモニーで米戦略爆撃機B1が低空を飛行したことだ。

 米軍のイラン爆撃で登場したステルス爆撃機のB2とは違う。退役間近だが、その威力は健在だ。この飛行を巡り、さまざまな臆測がインターネットでは飛び交う。歓迎を装いつつ中国に対する「威圧」が狙いという見方もそう。

 ネット上のマニアックな分析と侮るなかれ。外交戦は本番の会談、交渉だけでないのは当然で、これも米側の隠れたメッセージであることは確かだろう。能面が通常の習氏はどう見たのか。

 米中新冷戦という構造の中で両国は新たな関係を構築することになるのか。今や中国が「旧冷戦」で一方の雄だったソ連(ロシア)に取って代わった感がある。米ソ冷戦終結に先立ち、実はそれを象徴するエポックがあった。米ソの安全保障上の信頼醸成措置だ。

 40年近く前の1988年7月、当時のアフロメーエフ・ソ連軍参謀総長が訪米。米国は最新鋭の原子力空母や戦略爆撃機B1を余すところなく視察させた。軍事交流で軍同士の不測の事態を防止する一環だ。

 ソ連側も負けじと同年8月、最新鋭のブラックジャック戦略爆撃機(Tu160)を西側に公開した経緯がある。今日、中国はロシアに代わって米国との「G2」体制を目論(もくろ)む。トランプ氏がどうこの狙いをはねのけるか、先が読めない状況が続く。

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