トップコラム武蔵野スケッチ物語【上昇気流】

武蔵野スケッチ物語【上昇気流】

 ダイヤ街は、東京のJR吉祥寺駅の北側にあるモダンな商店街で、アーケードがある。喫茶店やレストラン、ドラッグストア、衣料品店などが並んでいて、街の人々が買い物にやって来る

 洗練されていて、子供や高齢者にも優しい印象を与える。水彩画家の大須賀一雄さんが「武蔵野スケッチ物語」で描いた作品が「ダイヤ街にて」だ。これは「季刊むさしの」2026年夏号に掲載された

 武蔵野のスケッチを始めて今回で100回目。季刊なので25年になる。最初に描いたのはJR中央線の吉祥寺、三鷹、武蔵境の三つの駅で、当時の武蔵野市長・土屋正忠さんの勧めによる

 「ダイヤ街にて」は商店街にしては無機質で、買い物をする人々もおしゃれ。これが現代の姿なのだろう。100回記念のインタビュー記事が載っている。眼鏡をかけた白髪の老人でにこやかだ

 経歴がユニーク。1937年に群馬県に生まれ、絵が好きだったが、父親の反対で美大には行けず、国鉄に就職した。蒸気機関車の釜焚きから運転士に。絵の実力が認められて、JR東日本のパンフレット制作プロジェクトの一員になった

 駅の絵を担当して7年間で約800枚を制作。JR東日本絵画クラブ初代事務局長を務めた。ヨーロッパにもスケッチツアーの講師として出掛けた。絵を描く情熱が人生を導き続けた。英国のバースでスケッチする様子を紳士が見ていて「ギフト」と言ったという。その才能は神様からの贈り物だった。

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