トップコラム凄いぞ!「三つ子」【上昇気流】

凄いぞ!「三つ子」【上昇気流】

 「三つ子の魂百まで」――。幼い頃に身に付けた性格や性質は年を取っても変わらないという意味のことわざだ。いつ頃から言われているのか、人工知能(AI)に聞くと、江戸期の歌舞伎作品「兵(つわもの)根元(こんげん)曾我(そが)」(1697年)に「三つ子の魂百までじゃ」とあるのが初出だという

公園で手を繋いで歩く親子
公園で手を繋いで歩く親子

 「三つ子の汗腺百まで」は最近の話だ。米地理学者で作家のジャレド・ダイアモンド氏によれば、人が暑さに適応するには汗を分泌する汗腺の活発化が重要で、その機能は3歳までに決まる(読売9月20日付「地球を読む」)

 これは日本人研究者の発見で、熱帯生まれの日本人の子が3歳になるまで熱帯で過ごすと、現地の人とほぼ同じ数の汗腺が活発に機能し暑くても平気になる。日本に帰っても熱帯の人と同じように汗をかき続ける。3歳以上の日本人の子が熱帯に移り住んでもそうはならない

 脳発達学には「三つ子の脳百まで」という話がある。脳は神経細胞が枝分かれする「分化」で発達し、枝が相互にネットワークを形成して「統合」されると思考力や判断力が身に付く。その「司令塔」である前頭連合野が人格、自我を構成するが、その基本的な構成力はさまざまな刺激を受け入れることで概(おおむ)ね3歳までにできる

 林道義元東京女子大教授はこの刺激の最たるものが父母からの愛情だと指摘し、親子の触れ合いの大切さを説いていた(「諸君!」03年8月号「家庭が脳を育てる」)。「三つ子」は凄(すご)いと改めて思う。

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