高市早苗政権が巨額の投資を見込む「戦略17分野」の一つであるフュージョンエネルギー(核融合エネルギー)。核融合発電は原子核同士を結合させてエネルギーを生み出す技術だ
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)が出ないため、環境問題とエネルギー問題を同時に解決する次世代エネルギーとして期待される。その核融合の研究は1960年代に始まった
当時の状況は「原子炉は、それほど安全だとは思われていませんでしたが、核融合については楽観的な見方をされており、一〇年ぐらいたてば完成すると思われていました」(益川敏英他著『今をどう生きる』)というものだった。しかし技術的に特有の難しさがあり、思ったほど進展しなかった
文部科学省は2030年代の核融合発電の実証に向け、燃料となる放射性物質トリチウム(三重水素)の取り扱い技術を研究する拠点を青森県に新設する方針を固めた。またこの拠点を含む全国4カ所に、実用化に必要な技術的課題を産官学で研究する設備が整備される
世界各国で核融合発電の技術開発が進む中、エネルギー安全保障上、国内で技術基盤を確立するためにこの事業を軌道に乗せたい
核のごみの最終処分地選定を巡っては、これまで全国4町村で文献調査を実施。ただ、次の概要調査に進んだ自治体はない。これと並行して核融合発電や革新炉の開発を行うことは理にかなっている。事業の重要性をもっとアピールして積極的に進めるべきだ。







