先日、街を歩いていると、後部ガラスに大きく「SENIOR(シニア)」と書かれている車が目に入った。
最初は、高齢者が運転していることを知らせる表示かと思ったが、周囲には星やハート、寄せ書きのようなメッセージまで書かれている。どうも違う。
気になって調べてみると、高校の最上級生を指す言葉だった。学校によっては、新学期を迎えた最上級生が車の窓に「シニア」の文字や卒業年を書き、高校最後の一年を祝うという。
このほかにも、高校の駐車場で、自分の駐車区域をペンキでデコレーションしたり、自宅の庭に、クラスメートたちの名前を書いた看板を立てたりする文化があり、夏休みの終わりに家族や友人総出で制作するところもあるのだとか。
南部テキサス州では、秋の高校行事「ホームカミング」で、生徒たちが菊を模した巨大な飾りに大量のリボンやベル、学校名などを付けて身に着ける文化もある。もともとは小さなコサージュだったというが、今では上半身を覆うほど巨大なものも珍しくない。
日本なら、卒業という節目は学校内で厳かに祝う印象が強い。しかし米国では、それが学校の外へと飛び出してくる。車も庭も駐車場も、自分たちで飾り付け、周囲も一緒になって盛り上がる。
最初は少し大げさにも見えたが、人生の節目を本人だけのものにせず、みんなでお祭りのように楽しむ文化は、なんとも米国らしいなと思った。
(K)







