トップコラム労働災害の盲点【上昇気流】

労働災害の盲点【上昇気流】

 どの建設現場にも大抵「安全第一」の標示板などが掲げられている。ある現場取材の折に言及すると「作業員らに安全意識を徹底させると人間関係が良好になり、仕事の能率が上がる」という内容の答えが返ってきた

 「なるほど」と思う。安全管理がスムーズにいって仕事の能率が上がれば、労働災害はずいぶん減っていくだろう。作業の基本は安全に対する意識改革だと思わされる

 栃木県鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅で先月、特急「スペーシアX2号」が除草作業中の作業員4人に接触し、全員が死亡した事故。報道によると、当の運転士は「列車見張り員による接近了解合図(旗)」を確認し、警笛を鳴らし駅に進入したと説明している

 除草作業を行う場合、運転士との意思疎通を図り、列車の接近を作業員らに知らせ避難させるため、現場責任者のほか、線路沿いの異なる場所に2人の見張り員が配置される。ところが事故当時、列車の接近を最初に知らせる中継見張り員が不在だった

 作業開始から事故までの間に上下線で計3本の列車が問題なく通過している。中継見張り員が所定の場所で監視できなかったのはなぜか。こうした業務に当たる人たちの徹底的な安全意識向上の必要性を感じる

 米国では万一起きた時の被害が甚大な航空機事故などへの対策で、パイロットの精神活動、肉体的特性に関する科学的研究が進んでいる。操縦の全自動化も検討課題の一つとされる。日本でも同様の対応が必要なのかどうか。

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