バンコクの銃砲店では、小型拳銃なら5万バーツ(約25万円)程度の値札が付いていて結構、にぎわっている。
だが先月から店は閑古鳥が鳴くようになった。
タイ政府が8月中旬、銃購入許可証の新規発給を停止したからだ。首都バンコク近郊の学校で14歳の男子生徒が銃を乱射し自身を含む9人が死亡したことを受け、緊急措置を講じた。学校で使われたのは、祖父が合法的に所有していた銃だったとされる。
タイには公務員らが銃を割安で購入できる優遇制度がある。これに関しても公務員への新規銃販売を停止した。政府は銃購入許可証を発給済みで未使用のままになっていないかどうかなど詳細をチェックするとともに、銃器販売店の販売記録や射撃場の弾薬管理状況なども調査に入った。こうした銃や弾薬の厳格な調査に入ることで、違法銃や闇弾薬摘発につなげたい意向だ。
さらに政府はこれまで更新義務がない銃の所持許可を、3年ごとの更新制に改める方針を打ち出している。
タイでは民間人が1000万丁以上の銃器を所有しているとされる。これは住民100人当たり約15丁に相当。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では群を抜く、銃社会となっている。
それゆえに銃犯罪も多い。3年前にはタイ東北部のナコンラチャシマで兵士が軍から盗んだ銃を乱射し、買い物客ら29人が死亡、58人が負傷するという痛ましい事件が起きた。こうした事件が起きると観光立国でもあるタイの土台を揺るがしかねず、銃規制に乗り出した政府は本気だ。(T)







