今年の夏も日本の山々で遭難事故が相次いだ。長野県の遭難情報を伝える「島崎三歩の『山岳通信』」によると、8月17日から23日までの1週間で8件の遭難事故があり、1人が死亡した

この死亡の事例は8月18日、4人グループが北アルプスの北穂高岳から涸沢に下山中、1人が南稜でスリップし、滑落して亡くなったというもの。8件の中では滑落と転倒が目立ち、さらに発病、その他が原因のものもある
長野県警の山岳安全対策課によると、今年1月1日から8月23日までの発生件数は225件で、遭難者数252人、死者34人。様態は滑落62人、転倒43人。これらで半数近くを占めている
転倒の場合、特に下山時に発生していて、スリップやバランスを崩すことで転ぶことが多く、濡れた岩で起こりやすい。年齢は50代、60代、70代に多く、足腰のトレーニング不足が要因だろうと思われる
遭難者数の背景には、それぞれの家族の事情が隠されている。気流子は半世紀も前の学生時代、体育会山岳部に所属していて、知人らから事故の話を聞く機会が多く、葬式や追悼会にも出席した
入部してある先輩から聞かされたのは前年に起きたOBの遭難事故。卒業した年、5月の連休に伯(ほう)耆(き)大山(だいせん)の岩壁を登った。だが、岩雪崩に遭遇して死亡。その後、母親が山岳部の部室に押し掛け、半狂乱で「息子を返せ」と叫んだという。母子家庭で一人息子だった。悲劇を防ぐには、日ごろのトレーニングや無理のない登山計画が求められる。







