ネパールと中国の国境地帯で起きた大規模な土石流災害は、氷河の崩落が原因であったとみられる。背景には地球温暖化があり、土石流が橋や建物を飲み込む凄(すさ)まじい映像を見て、恐れていたことが起きたと思った専門家も少なくないだろう

ネパールの国立自然保護財団(NTNC)のマニシュ・ラジ・パンデイ気候変動部門長は「気候変動がわれわれにとってどれほど深刻か、この壊滅的出来事で顕在化した」と時事通信に語っている
ネパールや中国、インドには決壊の危険をはらんだ氷河湖が既に47存在するという。パンデイ氏はヒマラヤ地域で暮らす約20億人が深刻な影響を受けると危惧する
氷河湖の決壊は欧州のアルプスでも起きている。氷河の麓で暮らす世界中の人々の生活が脅かされている。同じヒマラヤ山系のブータンでも1994年に氷河湖が決壊し、100キロも離れた麓の古い寺院が壊され21人が犠牲となった
一方、ブータンではワンチュク国王の発案で、平均標高4000メートル、約190キロのコースを5日間かけて走破するトレイルランニング「スノーマンレース」の第1回大会を2022年に開催している。ブータンのランナーに加え、世界のトップアスリートが参加した
この第2回大会の模様を伝えるNHK「秘境ブータン 天空を駆ける」の再放送を観(み)たが、美しい高山地帯に温暖化の影響が急速に及んでいることが分かる。今回の大災害は氷河が鳴らす人類への警鐘と受け止めるべきだろう。







