地球の表土下の岩石分布や地層構造を表した「地質図」。明治9(1876)年にわが国初の広域地質図「日本蝦夷(えぞ)地質要略之図」が刊行され、今年で150年になる。北海道の石炭や石油、硫黄、鉄、鉛の予想埋蔵量が記され、明治政府は主に炭田開発に力を入れた

今日、地質図は都市計画の策定やインフラ整備に欠かせない。地質の調査不足で、道路や建物などの建設が遅延したり、さらに道路陥没による人的被害や交通網の混乱を招いたりしている。綿密な調査に基づいて作製された地質図は重要インフラを支えていると言っても過言ではない
また資源エネルギー分野では、地熱発電の適地調査のほか、差し迫った高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定のための調査などでも地質図が必須となっている。さらに豪雨、地震、火山などの防災、減災対策では正確で詳細な地質情報が要る
その役割は多岐にわたり重要だが、地質図作りの担い手は減っており、悩みの種だ。少子化に加え、地学自体は地味な学問で専攻する学生が少なく、研究職への就職の難しさも影響している。政府関係者は「正確な地質図作りは国土強靭(きょうじん)化の有力な手立てということを知ってほしい」と訴える
以前、京都の丹波高原から北陸地方にかけて分布する「丹波帯」という古い地層を訪ねた。砂岩、頁岩(けつがん)、チャートが幾重にも重なる美しい岩肌に驚嘆した。生きている地球を写し取った地質図にもっと光を当てたい。







