マグロがどうやら安くなりそうな気配だ。国際会議で、中西部太平洋における大型魚(30キロ以上)の漁獲枠を約25%拡大することで合意した。資源管理が奏功し、日本が出漁する海域では豊漁が続いている
江戸時代は、マグロは下(げ)魚(ぎょ)と言われた。「猫またぎ」ともいう。「猫も遠慮する」という意味だ。それほどマグロは人気がなかった。それが21世紀の今は、様子がだいぶ変わった。人間の食習慣も案外コロコロと変わるもののようだ
それでも近代に入ってからも、マグロの大トロは廃棄されるのが普通だった。正確な歴史は分からないが、ある有名企業の一社員が、すし屋で「このマグロはおいしい」と言ってくれた。すし屋の側で提案したものだが、やりとりの中で、その客がトロという名前を付けてくれた
その舞台となったのが、東京・日本橋の「吉野鮨本店」だ。その後、トロという名前が広がったと言われる。そんな話をすしの本で知ったので、だいぶ前のことだが、吉野鮨へ出掛けた
そこそこ混んでいて、しばらく待たされたが、トロも含めておいしくいただくことができた。こちらも経済的な事情があるので、「夜は高そうだから」という理由で昼のランチメニューと決めた
間を置いて2度目の時は、着物を着た男性のすぐ隣のカウンターに案内された。気難しそうな感じの男性ではあったが、迷惑をかけるタイプでもなさそうだった。なので再び、おいしくいただくことができたのは幸いだ。







