台湾には、日本人の神様が50柱近く祭られている。台湾の人々が自主的に祭るようになったもので、小紙でも丹羽文生拓殖大学教授が「台湾で祀られる日本人先覚者」と題し2020年4月から15回にわたって現地レポートを連載した
それにしても何故日本人が神様として祭られるのか。そんな問いから作られた遠藤協(かのう)監督のドキュメンタリー映画「軍服を着た神様」が、東京のポレポレ東中野で公開中だ。台湾が親日だからという単純なものではなく、東アジアに共通する祖先崇拝や民間信仰が背景にあるようだ
映画では5カ所8神にスポットが当てられるが、その一つが台南市の「飛(ひ)虎(こ)将(しょう)軍(ぐん)廟(びょう)」。1944年10月、台南上空で戦死したゼロ戦パイロット杉浦茂峰を祭っている

丹羽氏の連載によると、米軍機を邀撃(ようげき)した際にゼロ戦の尾翼に被弾したため、杉浦は集落に墜落するのを避けるため機首を上げて急旋回、甘藷(かんしょ)畑の方に飛び去る。パラシュートで脱出するものの機銃掃射を受けて戦死。享年20だった
その後、村に白い軍服を着た亡霊が現れるようになり、村人が小さな廟を建てる。すると豊作が続くようになり、その御利益が噂(うわさ)となって参拝者が増えていった。映画では、そのような経緯を語る人形劇が劇中劇として紹介される
「日本と台湾の民間信仰がずれながら重なっている」(映画のナレーション)さまを描いたドキュメンタリーだが、重なる部分が日台関係には重要な要素であると思わされた。







