トップコラム災害関連死との闘い【上昇気流】

災害関連死との闘い【上昇気流】

 熊本県を襲った最大震度7の地震で、救命のタイムリミットである「発生後72時間」が迫っている。不明者の救出に全力を注ぐとともに、災害関連死を防ぐ対策を早めに打たねばならない。特に熱中症対策には万全を期したい

 平成28年の熊本地震では、直接死が50人だったのに対し、関連死はその4倍以上の225人に達している。令和6年の能登半島地震では、死者748人のうち関連死は520人に上った

 能登半島地震の発生は元日で、一年で最も寒さの厳しい時期だった。避難所の暖房が十分でなく低体温症で亡くなる人が出た。高齢者の多い地域で最悪の時期での発災だった

 今回の熊本地震は、一年で最も暑い時期での発災だ。4月に起きた平成28年の時より状況は厳しい。停電や断水の続いている地域では、早期復旧と給水支援に全力を注ぐ必要がある。熱中症予防には小まめな水分補給が欠かせない。ペットボトルの水なども大量に必要だろう

 余震を警戒し、暑さを避けるために車の中で過ごす人も少なくないようだ。ガソリンが切れれば、車のエアコンも使えなくなる。ガソリンの確保も重要課題だ

 日本人は深刻な災害に遭っても、周りの人々を気遣い、不自由があっても遠慮して我慢する傾向がある。これは世界も認める日本人の美徳だが、過剰な我慢はよくない。全体を気遣いながらも要望をはっきりと伝えるべきだ。国や自治体は、そういう日本人の性向を念頭に強力なプッシュ型支援を行ってほしい。

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