ドイツ鉄道(DB)で10月15日から駅構内でのビールなどのアルコール類の飲酒が禁止される。すでに一部大都市の駅では実施されているが、同日からドイツ全土の約5400の駅で禁止されるという。
ドイツ民間放送ニュース専門局ntvはDBの決定に対して早速、国民の賛否両論を報じていた。賛成派は「酔っ払いに絡まれる恐怖が減る」「駅構内が綺麗(きれい)になる」と歓迎。特に、家族連れの乗客には朗報と受け取られている。一方、反対・不満派からは「仕事帰りの一杯は生活のリズムだ。それを誰が奪うことができるか」といった少々、厳しい意見もある。
DBが飲酒禁止を決めた大きな理由は、駅構内での暴力事件などの犯罪の急増だ。昨年の駅構内での暴力犯罪件数は約2万7800件。そのうち、ナイフ事件が約980件、性犯罪2200件以上だ。
メディアや識者の声を拾うと、「方針は正しいが、実現は極めて困難」という現実的な視点が目立つ。ドイツ全土の駅を誰がコントロールできるか、駅員か、警察官か、といった実効性の問題があるからだ。
ちなみに、警察労働組合は「駅が犯罪の温床になるのを防ぐのは歓迎できるが、警察官は多忙で、駅構内を常時パトロールできる人材はいない」として、「DBがやりたいのならば、駅員がやるべきだ」と述べている。違反者に対する刑罰や重犯罪者への対応といった未解決な問題も残っている。
DBが飲酒禁止令を果たして実施できるか、10月15日が来るまで誰も確信を持って言えなくなってきた。(O)






