トップコラム安倍元首相と李登輝元総統の絆【上昇気流】

安倍元首相と李登輝元総統の絆【上昇気流】

 台湾の李登輝元総統が亡くなって、この30日で6年になる。李氏はクリスチャンだったが、日本式にいうと七回忌になる。安倍晋三元首相は4年前、李氏の命日に合わせて訪台する予定だったが、銃撃事件に遭い果たされなかった

インタビューを受ける李登輝元総統.=2017年6月12日、台北の李登輝邸宅で
インタビューを受ける李登輝元総統.=2017年6月12日、台北の李登輝邸宅で

 中国の圧力を断固として跳ね除(の)け台湾の自由と民主主義を守り抜いた李氏を、安倍氏は志を同じくする政治家として尊敬していた。その関係は師弟、親子のようであったという。2010年、野党議員だった安倍氏が台北郊外の李氏の自宅を訪ねた時、「もう一度、首相になりなさい」と激励された

 17年6月に気流子が李氏の自宅を訪ねインタビューした時、李氏は数日前まで体調を崩して入院していた。その日のインタビューもどれだけの時間できるか分からなかった。しかし李氏はお元気そうで、「日台は運命共同体」と1時間近く熱を込めて語られた

 その応接間の一画か玄関近くだったかに美しいピンク色の蘭(ラン)の花が飾られていた。名札には「お見舞い 内閣総理大臣 安倍晋三」と書かれてあった。安倍氏が当時94歳と高齢の李氏の体調を気遣っていたことが分かる

 台湾の自由が奪われた時、日本の自由も失われることは、国際政治の力学として十分あり得る

 自由アジアを守る強い志と師弟関係で結ばれた二人の巨人も今はいないが、幸い日台ともにその志を継ぐ政治家がトップに立っている。高市早苗首相、頼清徳総統の背後には安倍氏と李氏の姿がある。

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