関東甲信の梅雨明けが宣言された。これからもっと暑くなるのかと身構える人もいるだろう。そんな中でウナギが例年より安値というのは、ささやかではあるが朗報だ

安値の原因は、ずっと不漁だったシラスウナギが昨年豊漁だったことだ。ウナギ養殖は、海で獲れたシラスウナギを1年ほどかけ成魚にして出荷する。中東情勢などの影響で養殖にかかる費用は高くなっているが、シラスウナギの安値はそれをカバーして余りあるようだ
卵から人工孵化(ふか)させた「完全養殖」のウナギが5月に山田水産(大分県)から試験販売されたが、まだ安値には結び付かないようだ。それでも安定的に稚魚が確保される意味は大きい
今やクロマグロやヒラメ、ノドグロ(アカムツ)などの完全養殖に成功している。しかし、FAO(国連食糧農業機関)によると、2021年の世界の漁獲量のうち養殖が占める割合は57.7%であるのに対し、日本は24.1%とその半分にも満たない。海で獲った方が早いというのもあるだろうし、何より日本人は魚の味にうるさい。天然物への信仰のようなものもある
養殖魚が増えれば確かに安定的な供給が可能になる。しかし、自然の命をいただいているという感じが薄れるのは否めない。季節感となるとなおさらだ
気流子が住む神奈川県のスーパーで最近、今が旬のイサキを見掛けた。地方に行けば、定置網で取れる魚も季節ごとに変化するので、スーパーで季節感が味わえる。島国の特権だろう。






