宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、繰り返し使える再使用型ロケットの小型実験機「RV-X」の初となる飛行試験を秋田県能代市で行った。実験機は高度約11メートルまで上昇した後静止し、垂直姿勢を維持したまま水平に移動、その後ゆっくりと降下して着陸に成功した

飛行時間は約40秒だったが、ロケットが水平移動する映像には目を見張った。従来、ロケットは一度使えばお役御免、つまり使い捨てだったが、これは設計段階から再利用を見据えたものだ
すでに米国のスペースXが実用化させており、人工衛星などを宇宙へ輸送する頻度の増加やコストの抑制につながっている。わが国も開発には10年以上の歴史があり、その突破口が開けた。主力ロケット「H3」の後継機を再使用型にすることも検討されている
「日本のロケット開発の父」と言われる糸川英夫氏は、地球の重力に逆らいロケットを飛ばすことの難しさについてよく語っていたが、さらにその重力を自由に操るところまでは考えが及ばなかったのではないか。難度の高い技術だ
また、今や安全保障面でも宇宙の重要性が増大し、作戦領域が多様化している。再使用型ロケットの利用は有事の際、破壊された衛星の迅速な代替打ち上げを可能とするなど戦略的優位性をもたらすはずだ
ほかに宇宙技術では先般、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星の至近距離で示した高精度の制御技術なども世界に先駆けるものだ。熾烈(しれつ)な開発競争を勝ち抜きたい。






