イスラエルでは、ユダヤ暦のタンムズ月17日に当たる7月2日、敬虔(けいけん)なユダヤ教徒たちが古代イスラエルの民に降り掛かった数々の災難を嘆き悲しみ、夜明けから日没まで断食し、悔い改めの祈りを行った。

紀元前13世紀ごろ、古代イスラエルの民は、預言者モーセに導かれ、奴隷生活をしていたエジプトを脱出した。モーセはシナイ山で神から十戒を記した最初の契約の石板を授かったが、金の子牛を神として偶像崇拝する民を目の当たりにして憤慨。その石板を投げ付けてたたき壊してしまった日とされている。
他にも、バビロニア軍に包囲されたエルサレム第1神殿の祭司たちが、毎日の儀式に必要ないけにえの羊が不足したために儀式を続けられなくなった日とされ、その翌年の紀元前586年には神殿が破壊された。エルサレム・タルムード(口伝律法)によると、バビロニア軍によってエルサレムの城壁が破られた日とされている。また、ユダヤの王の中でも悪名高きマナセ王が神殿に偶像を持ち込んだ日とされ、さらに西暦69年にローマ軍によってエルサレムの城壁が破られたのもこの日とされている。
敬虔なユダヤ教徒は、この日から第2神殿が破壊されたアブ月9日にまた断食するまでの3週間、喪に服して、髪を切ることも髭(ひげ)をそることもせず、結婚式や旅行も控える。
そして、災難を招いた祖先の罪を思い起こし、心から悔い改め、神殿の再建を願うのだという。(M)






