登山界で現代は、低山歩きが流行となった時代だ。NHKの人気番組の一つに「にっぽん百低山」があり、酒場詩人の吉田類さんが山々を案内。しばしば、地元の人以外は知らない珍しい山を紹介する
5月にNHKBSのこの番組で見たのが福島県川俣町にある女神山(599メートル)。川俣町は絹織物で有名な町で、地元のメーカーが世界一薄い絹織物「フェアリー・フェザー」を開発したことで知られる
伝説によれば、この町に養蚕(ようさん)と絹織物の作り方を伝えたのが小手(おて)姫で崇峻天皇の后(きさき)。崇峻天皇が暗殺された後、都から逃れた蜂子皇子を追ってこの地にやって来たが、消息は分からずここにとどまった
飛鳥時代の話だ。麓に機織神社があり、女神山には小手姫が祭られている。眺望が良く、西には吾妻(あづま)山が遠望できる。低山歩きは夏は暑過ぎるため、春や秋に向いた山。雪がなければ冬も良く、ガイドした書籍類も多い
ところで、遭難者もまたこれらの低山で増えている。昨年全国で発生した山岳遭難者は3623人で、統計の残る1961年以降最多。遭難者が多かった山は秩父山系(171人)、丹沢山塊(168人)、高尾山系(106人)
どれも東京から近く、丹沢山塊や高尾山系は日帰りで行ける低山が多い。日本山岳ガイド協会では1500メートル以下を低山としている。遭難者の年齢は半数近くが60代以上で、70代が最多。心身の健康のために登山をするが、ガタがきている身体は要注意なのだ。






