「友よ、私は今日あなたがたに言いたい。われわれは、今日も、明日も、多くの困難に直面するだろうが、それでも、私には夢がある」――。米国の公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説の一節だ(1963年8月28日)
「夢」は「全ての人間は平等に創られ、創造主によって生命、自由、幸福追求の権利を与えられている」(独立宣言)の具現化だ。キング牧師は演説の5年後に暗殺され帰らぬ人となったが、その「夢」は今なお、人々の心を揺り動かす
きょう7月8日は、もう一人の帰らぬ人、安倍晋三元首相の命日だ。安倍氏にも語りたい「夢」があった。「日本を、世界の人々があこがれと尊敬を抱き、子供たちの世代が自信と誇りを持てる『美しい国、日本』とする」(第165回国会所信表明演説=2006年9月29日)
なぜ「美しい国」なのか。それは戦後の日本人が「今だけ」「モノだけ」「自分だけ」の刹那(せつな)的な生き方に陥っているからだ。自国の守りを他国の青年の血に委ねても恥じないからだ。国際社会の平和創出に汗を流そうとしないからだ
そんな姿は美しいか。いや、醜い。だから「日本を、取り戻す。」(12~13年の自民党スローガン)。それは「戦後レジームからの脱却」に他ならない
キング牧師はこうも言う。「もし世界を救済することができるなら、私が生きたことは無駄ではなかったのです」。安倍氏の思いもまた然(しか)り。あの凶弾の日から4年。「夢」を忘れまいぞ。






