トップコラム安倍氏の「雅量と識見」【上昇気流】

安倍氏の「雅量と識見」【上昇気流】

 安倍晋三元首相が凶弾に倒れ、帰らぬ人となってから明日で4年になる。その人柄と業績を偲(しの)ぶ「安倍晋三回顧展」が、東京ビッグサイトで開かれている

 会場には安倍氏が、銃撃された当日握っていたマイクや破損した議員バッジなど遺品100点ほどが展示されている。トランプ米大統領と安倍氏のサイン入りゴルフキャップなども目を引く

 菅義偉(よしひで)元首相が弔辞で触れた安倍氏の蔵書である岡義武著『山県有朋』(岩波新書)も、読みかけのページを開いて置かれている。山県が、暗殺された伊藤博文を悼んで詠んだ歌の部分にはマーカーが引かれていた

 安倍氏が愛読した昭和の哲学者・教育者、森信三の著書『修身教授録』(致知出版社)も展示されている。その303㌻「この『人生二度なし』という真理のみは、古来只一つの例外すらないのです」に赤鉛筆で傍線が引かれている。安倍氏は政治家として、1人の人間として、二度とない人生を真剣に生きた

 『修身教授録』で傍線が引かれた他の箇所は「安倍晋三デジタルミュージアム」で見ることができる。その一つに「真の為政者は自己の努力が在職中にその全部の結実を見ることを念とせず、必ずや後に来る為政者に、自己の努力の収穫をゆずる程度の雅量と識見がなければ、真に永遠の大計は樹てられないでありましょう」がある

 安倍氏の志は今、高市早苗首相に引き継がれ結実しようとしている。回顧展は12日が最終日。17日からは奈良市に会場を移す。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »