仕事の関係でもう20年以上付き合っている韓国人男性がいる。初めは筆者の韓国語が未熟で、向こうも日本人に会うことがめったになかったせいか、互いにぎこちなかったのを覚えている。その後、次第に打ち解け、食事に誘われるようになった。
大の酒好きだった彼に勧められて一杯付き合うと、プライベートの話はもちろん、仕事の深い内容まで教えてくれるようになった。年上の彼が筆者に「もう義兄弟の契りを結んだようなもの」と言ってくれたのはうれしかった。
韓国も日本同様、酒席を一緒にすることで人間関係を近くする、いわゆる「飲みニケーション」が盛んな国だ。焼酎やマッコリが中心で、早く酔いたい時などは、ジョッキに注いだビールの中に、小さなグラスに入った焼酎を爆弾のように落として飲む、「爆弾酒」が好まれる。
近年は日本酒や日本のビールが韓国人の間で広まり、日本色を前面に出して「居酒屋」の看板を掲げる店も。筆者の友人は日本の生ビールを置いている店を見つけては、「一緒に行こう」と誘ってくるほどだ。
ところが最近、その「飲みニケーション」が減り、各種居酒屋の閉店が相次いでいるそうだ。特に若者に「酒席回避」の傾向が強くなっているという。はっきりした理由は分からないが、コロナ禍を契機にそうなったという説や物価高が影響しているという見方、また読書やジム通いなど自己投資を優先させた結果だという声もある。
職場では互いに気難しい顔をしていても、飲み会で本音を吐露すれば一挙に仕事がやりやすくなる――という時代ではもはやなくなったのだろうか。(U)






