
サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会で26日、日本は1次リーグF組第3戦でスウェーデンと1ー1で引き分け勝ち点5とし、2位で決勝トーナメントに進んだ。30日午前2時開始の1回戦でC組1位のブラジルと対戦する。喜ばしいことだ。
日本代表監督、森保一氏のサッカーのルーツをたどると、高校サッカー界の伝説的名将・長崎県立国見高校の小嶺忠敏監督に行き着く。練習・試合中でも水を飲ませない、殴ってでもチームを強くするという〝根性論の時代〟に、森保氏は近隣の長崎日本大学高校でサッカーを続けていた。
国見高校は全国高校サッカー選手権で優勝6回、インターハイで優勝5回という輝かしい戦績を残している。〝小嶺イズム〟は、球際に負けない走力、ボールの扱い、徹底したフィジカルの強化と共に「サッカーの前にまず人間たれ」という信念に基づくものだった。寮に住み込んで「あいさつ、礼儀、生活態度」も徹底して鍛えた。
小嶺氏は勉強熱心で、全国の強豪チーム監督の意見にも耳を傾け、チームに適合した戦術を使いこなした。小嶺氏が英国在住経験のある伊藤庸夫(つねお)氏(元日本サッカー協会国際委員)に根性について尋ねると、伊藤氏は「英語にそのような言葉はない。あえて言えばファイトだが」とニュアンスが違うことを指摘。日本人が「頑張れ!」という場面では「Take it easy」(気楽に行こうぜ)となるという。
全国大会優勝後の小嶺氏の言葉が、また凄(すご)い。「天狗(てんぐ)になって消えていった人間を、俺はたくさん見てきた」。目指していたのは人づくりだった。
森保ジャパンの闘いも、技術で勝る外国勢に集団の力・人間力で対応している。ブラジルとの一戦は、小欄掲載の世界日報30日付が読者に届く頃には結果が出ているが、どうなることやら……。
(和)






