西暦751年、中央アジアのタラス地方(現在のキルギス)で、唐軍とアッバース朝のイスラム軍が激突した。このタラス河畔の戦いでイスラム軍が勝利し、後の中央アジアのイスラム化が進むことになる。
しかし、文明史的に見るともっと大きなことが起きていた。この戦いでイスラム側に下った中国人の捕虜の中に製紙職人がおり、製紙法がイスラム世界に伝わったのである。
12世紀に入って製紙法は西洋に伝わる。日本には7世紀に高句麗の渡来僧、曇徴(どんちょう)が伝え、和紙が誕生する。紙が与えた歴史的な恩恵は東西共に大きいものがあるが、文化や宗教だけでなく、政治に与えた影響は西欧の方が大きかったのではないか。
15世紀にはグーテンベルクが活版印刷術を発明し、『グーテンベルク聖書』を出版。1517年、ルターが発表した『95カ条の論題』は大量に印刷され瞬く間に欧州中に広まった。活版印刷術と共に大量の紙の生産が改革を可能としたと言える。紙媒体はロシア革命でも威力を発揮した。
その後、紙の情報媒体の代表となったのが新聞だ。テレビなどの視聴覚メディアが登場しても、正確さにおいて新聞に勝るものはない。そして、インターネットは活版印刷が与えたに等しいインパクトを社会に与えつつある。
小紙(日刊)は本日付を最後に電子版一本に移行しますが、正確さと説得力のある情報・言論を今後も追究してまいります。引き続きご愛読のほどよろしくお願いいたします。






