トップコラムダム満水で安堵 【美ら風】

ダム満水で安堵 【美ら風】

 20日、沖縄で最大規模の福地(ふくじ)ダムが満水となり、水があふれ出す越流(オーバーフロー)現象が確認された。そのほか北部のダムなどでも満水が確認された。この知らせに胸をなで下ろした県民も多かろう。生活に直結するダムの貯水率に関心を寄せ、数値に一喜一憂する県民も多いからだ。

 5月5日には全11のダム貯水率が48.9%を記録。例年よりも約30ポイント低かった。同月4日に梅雨入りしたが雨が少なく、貯水率は例年を大幅に下回る状況が続き、水不足への不安が広がっていたところだった。

 一転、6月に入り台風や線状降水帯の大雨による影響で貯水率が急速に増加した。国管理ダム、県管理ダム(倉敷ダム)、県企業局ダム(山城ダム)の合計貯水率は1日の56.4%から3週間で94.8%を観測し、平年値とほぼ同じとなった。筆者も安心感を覚えたと同時に、沖縄のダム貯水量の増加スピードに驚いた。

 それは沖縄の地形が関係している。日本全国で4番目に面積の小さい沖縄県は川が短く、ダム(多目的)の数は11あれど本州のダムと比較すると容量が少ない。その年によって降水量にばらつきがあるため、毎年の貯水率にも差が出る。

 それでも県は国と協力し、水の安定確保のためダム建設に努めてきた。一日の平均取水量は、1972年から50年間で442万8000立方メートル(2022年)と約2倍に増え、安定的な確保までこぎ着けた。

 山の多い北部から人口の密集する南部に送水するパイプの劣化で現在も断水することがある。貴重な水を無駄にしないためにも、古くなったパイプを新しくするなどインフラ整備が求められる。

 沖縄は古来、水不足に苦しんできた歴史があり、水を大切にする文化もある。スーパーエルニーニョ現象で猛暑が予想される今年、県民を見習って節水を意識したい。(A)

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