トップコラム政治に利用された流行【上昇気流】

政治に利用された流行【上昇気流】

 テレビの街頭インタビューで女子高校生が「流行が次々変わるから対応に疲れる」と回答していた。「流行に関して、今はそれほど他人の目が厳しいのか!?」と思った。

 半世紀以上も前、気流子が高校生だった頃は「洋画」の話が多かった。それも流行の一つだったのだろうが、洋画には全く関心がなかったので、話題は避けるしかなかった。

 要はそれだけの話で、10分もすれば洋画の話題が終わっていることもあって、対応に疲れることはなかった。のんきな時代が懐かしい。気流子のその頃の気分は「流行以上に大事なものがある」という程度だった。「何が重要か」も分からない。行く末を薄ぼんやりと思ってみるだけだった。希望は特にないが、絶望もなかった。

 流行がどこからやって来るのかは分からないが、時代の空気には違いない。もっとも「お上」が流行を先導する話は聞かない。とはいえ、政治的理由で流行を利用することはあった。

 江戸時代末期の「ええじゃないか」(1867年8月~12月ごろ)がその典型だ。関西→名古屋→東海道→江戸という順番で、民衆が「ええじゃないか」と連呼しながら踊り狂う騒動が広がったと言われる。

 西郷隆盛が「ええじゃないか」を政治利用して幕府を滅亡へ導いたという話は聞く。彼が直接関与していたかはともかく、部下が口にした「ええじゃないか」を利用したのかもしれない。「歴史的流行語」の一例であることだけは間違いない。

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