トップコラム原子力潜水艦の導入急げ【上昇気流】

原子力潜水艦の導入急げ【上昇気流】

 自民党と連立を組む日本維新の会が、安全保障関連3文書の改定に向け、原子力潜水艦の早急な導入を提言した。中国海軍の太平洋進出が常態化するなど安全保障環境の変化をその理由に挙げている。

 海上自衛隊は現在22隻の通常型潜水艦を運用している。静粛性が高く探知が難しいなど、その能力の高さは米軍も認めている。しかし、静かに待ち伏せをするだけでは十分な抑止力とはならなくなっている。

 ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた通常型と原子炉を動力源とする原潜では、まず潜航可能時間に大きな差がある。通常型は数週間で浮上しなければならないが、原潜は理論的には半永久的に潜航可能だ。実際には食料や乗組員のメンタルケアの事情から米海軍では最大90日間という。

 もう一つは、航行のスピードだ。通常型は最大で時速28㌔ほどだが、原潜は約46~65㌔で水中移動が可能だ。中国海軍の活動範囲が拡大する中では、必須の能力だ。また原潜は通常型より大型なので、乗組員の居住スペースも広くなる。水中での日々を少しでも快適にする効果は大きい。

 韓国は北朝鮮の核・ミサイルに対抗するため、米国の承認を得て原潜の開発・建造を決めた。5月には2030年代半ばごろの進水を目指すとする基本計画を発表している。

 日本もぐずぐずしている場合ではない。防衛政策では、かつては与党だった公明党が足かせとなってきたが、今や維新が背中を押す形となっている。

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