NHKBS「世界の貨物列車 ヨーロッパ縦断編」を見た。鉄道の旅はテレビ番組の定番だが、この番組では主に積み荷にスポットを当てていて、モノを通して欧州の人々のつながりが見えて面白かった。
イタリアのローマ発の列車に乗せられたのは大量のトマトの缶詰。欧州最大の貿易港であるオランダ・ロッテルダムまで運ばれ、オランダの人たちの食卓に上る。一部は日本など海外へ船で運ばれる。
旅客列車が優先なので、貨物列車は時間調整で待たされることもある。それでもヨーロッパは国際鉄道網が発達しているから、鉄道の貨物輸送は物流の主役だ。
「この列車は40個のコンテナを牽引(けんいん)している。つまり大型トラックの40台分だ。環境に対して責任を果たすことにもなるんだ」。ロッテルダムからドイツ、スイスを経てイタリアの国境まで行く列車の運転士は、国道を走る大型トラックを横目に胸を張る。
1㌧の貨物を1㌔運ぶ時の二酸化炭素(CO2)排出量は、トラックの216㌘に対して鉄道は20㌘と10分の1以下。登場した運転士たちは、欧州の流通を支えていることに強い誇りを持っている。
日本では「2024年問題」でトラックの運転手不足が深刻化する中、鉄道の貨物輸送が救世主となるのではと注目を浴びている。自然災害発生時の脆弱(ぜいじゃく)性など課題もあるが、環境への負荷の低さなどを考えると、トラック輸送と効率的に組み合わせて物流の切り札とすべきだろう。






