トップコラム【ワシントン発 ビル・ガーツの眼】米FBI 偽コンサル会社13サイトを閉鎖 中国が情報工作に利用

【ワシントン発 ビル・ガーツの眼】米FBI 偽コンサル会社13サイトを閉鎖 中国が情報工作に利用

 米司法省は10日、中国による機密情報、重要な米政府情報の入手工作に利用されていたとして13のサイトを閉鎖したと発表した。声明によると、これらのサイトは中国側の工作員が、偽のコンサルティング会社を装い、機密情報にアクセスできる米国人らを勧誘、取り込むために利用していた。

 連邦捜査局(FBI)のロジャフスキー副長官(防諜〈ぼうちょう〉・スパイ対策担当)は、「FBIが閉鎖した偽コンサル会社のドメインから、中国政府の情報機関が人工知能(AI)生成コンテンツを使って、元現職の米政府機密資格保持者を欺き、勧誘し、あるいは強要して機密情報を共有させようとしていることが分かる」と述べた。

 またロジャフスキー氏は、「FBIと関係機関は、中国の情報機関がAI、ビジネス向け交流サイト、オンライン決済プラットフォームを利用して米国人を標的にしていることを確認しており、国家と国土を守るため行動を取ってきた」と語った。

 公表されたFBIの供述書によれば、これらのサイトは中国による違法活動の捜査を通じて発覚。サイトはアリゾナ州、ニューヨーク州、ドイツ、英国を拠点としており、機密情報を狙う偽コンサル会社と結び付いていたという。

 供述書によると、正体不明の共謀者らは偽名や架空のプロフィル、盗用した身元情報を使い、AI生成の顔写真で信用させた上で、米国内の勧誘対象者に情報提供の対価を支払っていた。

 目的は、リンクトイン、アップワーク、エクスペリアAI、ハブスタッフ・タレント、ウェルファウンド、ポスト・ジョブ・フリーなどの求人サイトを利用し、「独占情報」や「内部情報」を入手することだった。狙われていた情報は全て、中国が必要としているデータだったという。

 アイゼンバーグ司法次官補(国家安全保障担当)は、「今回のドメイン閉鎖は、外国勢力が『簡単に金が稼げる』という甘言で米国人を誘い、本来守る義務のある機密情報を漏らさせようとしている実態を示している」と述べた。

 FBIワシントン支局防諜・サイバー部門のダニエル・ビエルズビツキ特別捜査官は、「今回の閉鎖措置により、機密情報にアクセスできる米国人を狙った工作を阻止できた。中国政府は長年にわたり、偽会社や偽求人を隠れみのにして米政府職員を利用しようとしてきた」と指摘した。

 今回の措置は、FBIと英情報局保安部(MI5)が今月初めに共同で公表した警告を受けたもの。警告では、中国軍情報機関がリンクトインなどのビジネス向け交流サイトを利用し、機密資格保持者から情報を得ようとしていると指摘していた。

 警告文は、「これらの工作員は、情報機関員またはその関係者が民間コンサル会社、シンクタンク、人材紹介会社の職員を装い、外交・安全保障アナリストなどを募集するオンライン求人を出すという攻撃的な勧誘戦略を用いている」としている。

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