トップコラム脱化石燃料の時代【上昇気流】

脱化石燃料の時代【上昇気流】

 石油を精製したガソリンは自動車の燃料、精製後に残った重油は火力発電の燃料になる。話題のナフサも石油由来であり、石油にはさまざまな用途がある。

 人類の歴史を振り返ると、火の発見から現代まで数千年もかけて石油、石炭などの化石燃料を文明の根本に据え、発展した社会を築くことができた。現代の石油文明の恩恵は大きい。

 しかし不確定ながら石油の埋蔵量は乏しく、IEA(国際エネルギー機関)の2022年統計によると可採年数は54年しかない。また地球温暖化が進む中、化石燃料にこれ以上大幅に頼ることはできない。世界は歴史の曲がり角に立っている。

 この先、石油文明からの脱却を図りつつ世界各国は原子力や再生可能エネルギーをどれだけ活用できるか。植物由来のエネルギーに対し、原子力エネルギーは桁違いに大きい。しかし原発事故が起きると被害も甚大なため、原子力活用の合意形成が十分ではない。

 だが原子力はエネルギー源であるだけでなく、がん治療や原子力船などでの利用が可能だ。また次世代の原子炉としては、高温熱を生かして水素を大量に製造できる高温ガス炉がある。原子力を平和・福祉国家の建設に向けた多くの技術の柱にすることができる。

 わが国は戦後いち早く、エネルギー安全保障の強化や公害対策のため、クリーンエネルギーの原発を導入し、問題を解決してきた。原子力時代を担う先進国としての自覚をはっきりと持つべきだ。 

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