トップコラム戦闘で負傷した母の手記 イスラエルから

戦闘で負傷した母の手記 イスラエルから

2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる大規模襲撃の際に戦闘に参加した女性の手記を目にした。

国境警察の治安部隊員だったアミット・グルさんは襲撃当日、市民と祖国を守るため夫と共に戦場へ向かった。乳飲み子を残して。数時間の間にテロリストと4回交戦し、両手に2発の銃弾を受けた。ただ戦うこと、生き延びることだけを考えていたという。

重度の神経損傷と慢性的な痛みを抱えて家に帰った時、母親らしく娘を抱き上げることもできず、もう以前の自分には戻れないことを悟った。母乳も出なくなり、トラウマに陥り、娘のそばにいたくない日もあった。夢見ていたような母親になれない自分を見て、罪悪感を覚え苦しんだという。

夫と二人、複雑な精神状態に苦しみ続け、今もなお心の中では戦争が続き、公園や子供向けのショー、家族の集まりなどでさえ耐え難く、かつては当たり前だったことが日々の苦闘になっているという。

転機が訪れたのは次女の出産だった。妊娠中は、日々の鎮痛剤を中止した。その痛みの中で、初めて娘を抱き上げた時、人生の意味を理解した。すべてを乗り越え、この世にもう一人子供を迎えることが勝利のように感じられたという。

娘たちがいるからこそ、自分を大切にし、リハビリに通い、今もなお闘い続けることができる。アミットさんは、人生が終わったと感じている若く傷ついた男女に伝えたいという。

「たとえ辛(つら)くとも、生き続け、愛を選び、家庭を築くことこそが、真の勝利なのだ」(M)

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