トップコラム詰め方で意味変わる重箱文化 【美ら風】

詰め方で意味変わる重箱文化 【美ら風】

 沖縄は先祖を大切にする地域の文化が残っており、シーミー(清明祭)やウークイ(旧盆)など、家族で先祖を供養する伝統行事が県民に根付いている。先祖にお供えするのはウサンミ(御三味)だ。三味とは、海の幸、山の幸、大地の幸の3種類の料理を指し、重箱を開けると賽(さい)の目状に具材が美しく並べられている。この重箱の中身には決まり事が多く、慶事・弔事で詰め方が変わる。

 シーミーやウークイは先祖を迎え、先祖の存在を祝う意味から「慶事」に分類され、縁起物の料理が使われる。赤いかまぼこや紅餅で赤色を、輪結びの昆布やよもぎ餅で緑色を添え、彩る。

 一方、法事や法要のスーコー(焼香)やミーボン(初盆)は、重箱に故人を偲(しの)ぶ心を表現する。白いかまぼこや白い餅で彩りを控えるなど、慎(つつ)ましい色の料理が用いられる。

 重箱にはそのほか、代表的な食材としてラフテー(豚の三枚肉の煮付け)や天ぷら、厚揚げや根菜などが並ぶ。豪華な食事は先祖も喜ぶだろう。

 沖縄育ちの60代女性と一緒に沖縄料理を食べている時、重箱のラフテーは詰める時の上下で意味が変わることを教えてもらった。重箱のメイン料理とも言えるラフテーは、慶事では皮を下にして脂身を表に見せてツヤを見せる。弔事では皮を上にしてツヤを見せず慎みを表す。細部まで配慮するところに、気持ちを表現するウチナーンチュの心を感じる。

 同じ女性に「作るのは大変ですね」と尋ねたところ、「最近はスーパーで頼むことができるのでありがたい」と答えた。調べてみると、大手スーパーはもちろん、大手コンビニでも注文ができることを知り驚いた。どれだけ重箱文化が沖縄に根付いているかを実感した。(A)

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