トップコラムロボットのハーフマラソン【上昇気流】

ロボットのハーフマラソン【上昇気流】

 中国で4月、ロボットのハーフマラソン大会が行われ、人間の世界記録を上回るタイムを出した動画が公開された。中国は技術の選択肢を絞り込み、そこに集中し開発していく手法で、国産モデルを急速に成長させつつある

 今、中国は電気自動車や自動運転技術の需要がいまひとつ伸び悩んでいることもあって、ヒト型ロボットの開発を猛烈に進めている。世界初だった昨年4月の大会に比べてもロボットの走るスピードは確かに上がった

 しかし、マラソンの醍醐味(だいごみ)であるランナー同士の駆け引きなどは一つもない。だから、何の興趣も湧いてこない。スピードが売り物の時代は既に過ぎ去っている

 ロボットの本領は人間の命令をどれだけ正確に実行できるかだ。ロボットマラソンは、先進の半導体について米国に頼らざるを得ないことを白状しているようなものでもあった

 この状況下、米ホワイトハウスの人工知能(AI)担当責任者デービッド・サックス氏は「一定の条件下で供給を認めることで、制裁下の中国企業が米国の最先端技術に追い付くことを防げる」とAI技術供与を容認している。「管理された供給」で主導権を握ろうという発想だ

 最新半導体を獲得すれば技術の発展方向を容易に変化させ、ロボット開発でステップアップすることができるようになる。AI技術を格段に向上させる可能性のある最新半導体を中国へ供与するのは愚策極まりない。新技術への突破口を与えてはならぬ。

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