英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、ヘグセス米国防長官が小泉進次郎防衛相に米国製巡航ミサイル「トマホーク」の納入に遅れが生じる見通しを伝えた。「最長で2年」遅れる恐れがあるという。
トマホークの射程は約1600㌔。敵の射程圏外から対処できるスタンド・オフ能力を持ち、湾岸戦争など数々の実戦でもその威力を発揮した。自衛隊も反撃能力(敵基地攻撃能力)の一環として27年度まで最大400発の取得を契約していた。
懸念すべきは単に一兵器の取得が遅れたという問題にとどまらないことだ。米軍は今回のイラン軍事作戦で大量のミサイルを使用、トマホークも備蓄分の3割から5割を消費したという。有事対応のサプライチェーン(供給網)に支障が生じかねない。
ベトナム戦争で敗北後、米軍は在フィリピン海空軍基地から撤退するなどアジア太平洋でのプレゼンスが後退した。その空白を埋めるかのように中国が南シナ海に進出、覇権拡大しているのを教訓とすべきだ。
中国が周辺諸国と領有権を争う南シナ海方面で、米軍の偵察機の出動回数が3割減ったという。米国がイランに戦力を移している影響がみてとれる。中東危機にとどまらず、今後も米国のアジア関与に不安を生じさせてはなるまい。
高市早苗政権になって武器禁輸撤廃に続き、国家情報局設立や安保3文書改定など自国防衛の体制づくりが進む。米国全面依存からの脱却は日米同盟強化を担保すると言える。





