
大相撲夏場所は、小結若隆景が2022年春場所以来2度目の優勝を果たした。2横綱2大関が相次いで休場し、盛り上がりを欠くかと思われたが、一人大関となった霧島との役力士同士の優勝決定戦で締めくくられたのはよかった
初日から横綱大の里、大関安青錦、2日目からは横綱豊昇龍の休場で、場所への関心は大きく削(そ)がれてしまった。そんな中でも先場所優勝した霧島が強さと上手(うま)さで抜群の安定感を示し、番付から見ても今場所も制する雰囲気だった
しかし、そうはいかないのが15日間ある本場所の難しさであり面白さだ。最後まで勝利の女神は誰に微(ほほ)笑むのか分からないというのが実感だ
とはいえ、若隆景の相撲の充実ぶりに注目してきたファンには、決定戦で勝利し賜杯を手にすることは予想の範囲内だっただろう。11日目の本割で霧島に敗れたものの、迷いのない取り口に期待するところが大きかったに違いない
決定戦は、若隆景の下からの一気の攻めであっけなく決まった。立ち合いの一瞬で明暗が分かれた。大関から陥落し、ようやく今場所復帰した霧島。一方の若隆景は、23年春場所の右膝の大けがで幕下まで転落した。共にどん底から這い上がってきた
大関から序二段まで陥落した後、再び幕内で優勝した力士に元横綱照ノ富士がいる。それは精神力の強さの証明でもある。さらに上を目指す若隆景と霧島にとっては、上位力士が戻ってくる来場所が正念場になる。





