トップコラム庭造りに見る日英の近さ【上昇気流】

庭造りに見る日英の近さ【上昇気流】

英チェルシー・フラワーショーでメダルを受賞した「トコノマ・ガーデン」(主催団体提供・時事)
英チェルシー・フラワーショーでメダルを受賞した「トコノマ・ガーデン」(主催団体提供・時事)

 英国はガーデニングが盛んで、チャールズ国王も自ら手掛けている。その英国の造園コンクール「チェルシー・フラワーショー」で、長崎県出身の庭園デザイナー石原和幸氏がシルバーギルトメダルを受賞した。

 「トコノマ・ガーデン」と名付けた日本庭園で「訪れる人々が立ち止まり、思いを巡らせ、自然の美しさを味わう場」と主催団体が評価した。こんな評価がされる背景には、自然美を大切にする日英の共通性がある。

 西洋の庭園の特長は、人工的で幾何学的なことだ。その代表、フランスのベルサイユ宮殿の庭園を歩いたことがあるが、何分の一かを回っただけで疲れてしまった。正直、こんな庭園のどこがいいのだろうかと思った。

 これに対し英国の風景式庭園は、自然の景観美を生かしたものだ。「自然は直線を嫌う」という思想に基づき、道をくねらせ、人工物を極力見せないようにしている。当然、日本人にとってはこちらの方がなじみやすい。

 日本の庭造りは、古くは中国、韓国から伝来し、独自の発展を遂げた。中国の庭園は、自然が建築物と一体となった回遊式庭園だ。また仙人が住む理想郷がイメージされたり、陰陽五行思想の自然観、宇宙観が反映されたりしている。

 日本の庭園もそういう「見立て」の思想はあるが、中国ほど観念的ではなく、あくまで自然美を追求している。大陸国家の中国とフランス、島国の日本と英国の文化の共通性と対比性が、庭造りにもはっきりと出ている。

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