とかく移民問題がネガティブに報じられることの多いフランスだが、筆者が教鞭(きょうべん)を取っていたフランスのビジネス大学には、さまざまな国からの学生が来ていた。韓国からの場合は、養子が多く、韓国を全く知らない学生が多かった。カンボジアやベトナムの場合は親が政治亡命者の場合が多く、子供は真面目に勉強する学生が多かった。
ルーツがベトナムで、生まれも育ちもフランスの学生の1人は、大学卒業後に得意の中国語と英語を生かして、台湾の金融機関に就職し、活躍中だ。彼は就活中に筆者に「フランスの銀行の面接を受けた時、面接官に自分は白人じゃないけど大丈夫か」と聞いたら「君はムハンマドやアフメドじゃないから大丈夫」と言われたそうだ。
実はアジア人の評価は悪くなく、特に高学歴者の信用は高い。カンボジア移民で理系のエリート校を卒業した女性は、大手の化学メーカーで10人のスタッフを率いている。彼女も非常に熱心に勉強し、妹も同じ大学の卒業生でIT企業に就職している。
大学で昼休みも惜しんで勉強する中国人学生を見て、そのモチベーションの高さに驚かされた。フランス人学生の中には、授業をさぼって学内で卓球に興じたり、夜はディスコで遊んだりする者も少なくなかった。
移民といってもさまざまだが、フランスでは実力より人種や出身国で差別することはあまりない。アラブ人の中にも政治家や企業経営者として成功した例もある。逆境を乗り越えて成功する人間は、世界のどこにでもいると言えそうだ。(A)





