トップコラムタカとハトの改憲論争【上昇気流】

タカとハトの改憲論争【上昇気流】

 鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏といえば、「悪夢の民主党政権」(安倍晋三元首相)の二枚看板で政権誕生当初、首相と党幹事長を務めた。鳩山氏は政界から引退したが、発言は今なお物議を醸す。先の衆院選挙で落選した小沢氏は、新たに東京都内に事務所を構え政治活動を再開させた。

 すっかり忘れられているが、両氏は熱心な改憲論者で1999年に月刊「文藝春秋」誌上で9条改正論を戦わせたことがある。小沢氏は同年9月号で「日本国憲法改正試案」を発表し、鳩山氏は翌10月号の「ニューリベラル改憲論」でこれを批判。タカとハトの改憲論争などと評された。

 小沢試案は9条1、2項をそのまま継承し、新たに3項として「自衛権の行使とそのための戦力の保持」を盛り込むというものだ。自民党が現在、提唱している9条改正案や公明党の加憲論を彷彿(ほうふつ)させる。

 これに対して鳩山氏は同案を「戦後の9条論争を引きずったまま、現実から逃げている」と酷評し、そんなまやかしをせず「9条はまず『陸海空軍その他の戦力は保持する』と一番目に明記すべき」と主張した。こちらは日本維新の会の考えに近い9条全面改正論だ。

 当時のタカとハトは今とは逆で興味深い。といっても、両氏とも9条堅持論に与(くみ)せず、「自衛権行使のための軍隊保持」では一致していた。

 そんな改憲の声は中道改革連合から聞こえてこない。鳩山、小沢両氏にハッパを掛けるようお願いするのは無理な注文だろうか。

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