トップコラム「稲妻遊び」に興じる若者 韓国から

「稲妻遊び」に興じる若者 韓国から

 ソウルを流れる漢江に隣接する市民公園に若い男女10人余りが集まった。準備体操を終え、彼らが始めたのは「ムクゲの花が咲きました」(日本版「だるまさんが転んだ」)。喜々として遊びに興じる彼らは大学生のサークル仲間のようにも見える。しかし、実は皆その日が互いに初対面だった。遊びが終わると、連絡先を交換することもなく、そのままバイバイ…。これはSNS上でたまたま見掛けた動画だが、最近、韓国ではやりの「稲妻遊び」の一つであると知った。

 「稲妻遊び」とは、SNSを通じて特定の遊びや集いへの参加を呼び掛け、それを見て集まった見ず知らずの人たちが一緒にその時間だけ楽しみ、終わったら別れるという単発のコミュニケーションの場だ。瞬時に集まり、あっという間に別れることから「稲妻」と呼ばれているようだ。

 あるSNSで紹介されていた「稲妻遊び」では、「きょう夜7時にフライドポテト稲妻、集まる人いる?」という軽いノリに誘われて集まった参加者たちが、指定のファストフード店のテーブルの上に山のように積まれたフライドポテトを食べながら談笑する様子が映っていた。

 若者を中心に急速に広がる「稲妻遊び」の背景には、希薄な人間関係や昨今の物価高があるようだ。自宅と職場の往復で人との私的交流が減り、学生時代の友達とはなかなか時間が合わない。友達と会えても一杯飲むと2人ですぐ10万ウォン(約1万1000円)はかかる。そんな若者たちに手軽で安価な出会いの場となる「稲妻遊び」がウケるのかもしれない。(U)

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