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銃社会のリスク タイから

 ラオスで国内線の小型飛行機に乗る際、私服軍人が腰の拳銃を乗員に預けているのを見たことがある。カンボジアのトンレサップ湖では小さな警備艇の船底に何十丁ものAK47(カラシニコフ自動小銃)が無造作に放り込まれていたのも目撃した。

 タイは東南アジアで銃所持が特に多い国の一つだ。所持が合法的に認められ、バンコクの繁華街などにはガラスの陳列棚に銃器を展示した銃砲店が存在し、にぎわっている。銃は正規ルートだと20万円以上と高価だが、改造銃など闇市場では1万円程度でも入手できるとされる。徴兵制があることから、男性の多くは銃の扱いに慣れてもいる。

 タイ人が所持する銃は合計1030万丁ともいわれる。1000人に約150丁の計算だ。日本が3丁だから、タイの銃所持率は桁違いだ。その分、タイでは銃器による事件がしばしば発生する。

 3年前にはタイ東北部のナコンラチャシマで兵士が軍から盗んだ銃を乱射し、買い物客ら29人が死亡、58人が負傷するという痛ましい事件が起きた。またバンコクの大規模ショッピングセンター「サイアムパラゴン」で14歳のタイ人少年が銃を乱射し、中国人とミャンマー人の女性2人が死亡、5人が負傷するという事件も発生した。

 ほほ笑みの国とされる心優しき民族性と同時に「いつでも、どこでも、誰からでも」銃口を向けられる命に関わるリスクが存在することを覚悟しておく必要がある。タイの10万人当たりの殺人事件の発生件数は、日本の10倍以上だ。(T)

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