このところ、世界では有人惑星探査や月面基地建設など、これまで以上に大規模な宇宙開発が目覚ましい。一方、宇宙の成り立ちやその根源を突き止める実験・観測も進んでいる。南極点で2011年に始まった国際共同研究「アイスキューブ実験」もその一つ。
南極の広大な氷床部分を舞台に、そこを通過するニュートリノという素粒子を光検出器で観測するという壮大な実験内容だ。この間、検出器の精度を高めるための改良工事が行われてきた。
その中で、千葉大学の石原安野(あや)教授が南極点での建設作業に参加。同大学が設計・製造した光検出器「D-Egg」を主要機器として導入した新たなニュートリノ観測装置の建設がこのほど完了した。今夏から稼働する予定だ。
「D-Egg」は従来の検出器では捉え切れなかったニュートリノの微弱な光を高い感度で検出することができる。「CP対称性の破れ」という物理現象がニュートリノに観測されれば、宇宙に物質が存在する理由を明らかにでき、宇宙創成過程の研究がさらに進展するという。
一方、日本国内ではニュートリノ観測装置として、岐阜県飛騨市の旧神岡鉱山内に設置された「ハイパーカミオカンデ」が28年に観測を開始する予定だ。アイスキューブ実験の「氷河」に対し、透明度の高い大量の「超純水」を活用する。
ニュートリノの観測で日本は30年以上にわたって世界を牽引(けんいん)しており、さらなるリーダーシップが期待される。





