トップコラム消されかけた「昭和」【上昇気流】

消されかけた「昭和」【上昇気流】

 きょうは「昭和の日」。言うまでもなく昭和とは元号のことで、昭和天皇の御代を指す。

 先週末、とある会合でお年寄りが「今度の水曜日は天皇誕生日」と話されるので、「昭和の日ですね」と言うと「うん? わしらはずっと天皇誕生日だったわ」と笑われた。今なお昭和の世に生きておられるかのようである。

 そんな昭和は何度も消されかけた。わが国の科学者の代表機関とされた日本学術会議は昭和25年5月、「元号廃止 西暦採用」の申し入れを政府に行っている。それにはこうある。「新憲法の下に、天皇主権から人民主権にかわり、日本が新しく民主国家として発足した現在では、元号を維持することは意味がなく、民主国家の観念にもふさわしくない」。

 申し入れには「ソヴイエトや中国などが西暦を採用している」との一文もあった。元号(皇室)を消して「人民共和国」(共産国)を造ろうとする魂胆が見え見えで、政府は応じなかった。

 昭和54年に元号法が制定されたが、消そうとする動きは絶えない。日教組の肝煎りで制作された『生徒人権手帳』(三一書房、平成2年刊)には子供の権利として「『日の丸』『君が代』『元号』を拒否する権利」を挙げている。

 祝日法改正で「昭和の日」が誕生したのは平成19年。それまでは「みどりの日」だったが、お年寄りが話されるように「天皇誕生日」が心に強く残っている。消そうとしても消すことのできない昭和を未来に繋(つな)いでいきたいものである。 

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