
「時は来た」――。先の自民党大会における高市早苗首相の言だ。「発議にめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」と期限を明示し、従来の党総裁にない憲法改正への強い意欲を示した。
その言やよし。明智光秀が本能寺の変の直前に詠んだと伝わる「時は今」の句を連想させるが、もちろんその種の謀反(むほん)や急襲とは違う。改憲はれっきとした自民党結党以来の悲願であり公約である。
自民党は2月の衆院選で大勝し、改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を確保した。参院では少数与党だが、改憲支持の一部野党を含め「数」としてはその現実味を増している。
参院では今国会初の憲法審査会が開かれており、実質審議の進展が望まれる。もっとも改憲に反対する中道改革連合や共産党などは、マスコミや在野の反対勢力を結集させてその“非力さ”を補う運動に出てこよう。
だが、それ以上に改憲という偉業に最も高い壁となりかねないのは自民党内の勢力である。「高市一強」に対する不満や嫉妬が、政策次元とは別に公約実現への足を引っ張る恐れがある。
大事を前に党内がいかに一致結束するかがこれまでになく問われている。改憲が協議のテーブルに上がらなかった時代は、党内は総論で改憲で一致したが、国際情勢の厳しい変化に伴い、改憲の必要性が現実味を帯びると改憲派の中でも各論が衝突するようになった。敵は「本能寺にあり」となるのは避けねばならない。





