トップコラム再び技術立国を目指せ【上昇気流】

再び技術立国を目指せ【上昇気流】

 2026年度から5年間、わが国の科学技術政策の指針となる「科学技術・イノベーション基本計画」が始動した。先端技術の軍事転用を各国が進めていることから、デュアルユース(軍民両用)技術の研究・開発を推進すると初めて明記された。

 最新の人工知能(AI)、次世代半導体、量子コンピューターの技術は民生用と軍事用の区別が難しくなっている。デュアルユース技術を高めるのは安全保障や経済成長の観点から当然のことだ。

 基本計画では、科学技術分野全般に対する官民投資の目標を、前期計画の120兆円から180兆円に拡大することを盛り込み、官民の連携を前面に押し出した。民間セクターが安全保障分野でより大きな役割を果たすことが求められる新しい時代がやって来た。

 AIなどの最新技術の開発を極めた上、各領域で開発、改善された技術を相互に反映し合い、科学技術の総合化を図ること、つまり産業化こそ大切だ。1970~80年代、官民連携による半導体とコンピューター製品が世界を席巻したことを政府は参考としているに違いない。

 産業化には確固としたエネルギーの下支えが必要で、先端科学技術としての原子力技術の進展を促すべきだ。汎用(はんよう)性のあるエネルギーの高効率化に努めることが特に重要だ。

 人類社会を長年支えてきた石油文明が限界と局部的破綻を示していることは明らかで、それを強く意識し、対処することが今後の大きな課題だと言えよう。

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