
栃木県那須塩原市に博物館「木の葉化石園」がある。塩原バレーラインから県道266号に入って山に登りかけた所。ここはかつて古塩原湖のあった一帯で、地質学上、化石の重要な産地として知られてきた。
中庭を通って博物館に至るが、中庭を抜けて裏手の山の斜面の前に出た所にエントランスがある。地層の露出したこの斜面こそ、木の葉化石園の最も重要な場所。。
これは古塩原湖に堆積した地層で、第四紀更新世中期(数十万年前)に形成された。周囲から土砂や火山灰が流れ込んでできたという。百数十種類の植物をはじめ、昆虫、魚、カエルなど多数の化石を産出。
取り出された岩石は学習用や土産用として販売され、来館者が購入して割り、化石を探すスペースもある。昨年6月、東京都東久留米市に住む小学生の姉妹2人が、この博物館から岩石を取り寄せ、割ってみた。
中から昆虫の頭部のようなものが出てきたので、専門家の慶応義塾名誉教諭・相場博明さんに送った。クリーニング作業で出てきたのは全長約62㍉の大型のセミ。全身化石だった。
相場さんによると、鳴き声を出す「腹弁」があることからオスで、形態から国内にいるアカエゾゼミに近い種と判明。極めて貴重で、祖先の形態を示している可能性が高いという(小紙4月6日付)。岩石を割っての化石採集は、木の葉化石園の協力と相場さんの指導で、1000校以上の学校や博物館が授業やイベントで取り入れている。





