
イランで撃墜された米軍のF15戦闘機の乗員2人のうちイラン国内に取り残されていた1人が無事救出された。旧ユーゴスラビア紛争の米軍パイロット救出を描いた2001年の米映画「エネミー・ライン」を地で行く作戦を思わせる。
救出劇の詳細はともかく、敵地で孤立した乗員に敵が迫っていた状況は同じだ。「必ず救出する」――トランプ大統領はじめ米国民の一致した思いが実を結んだと言える。
こうした局面の打開が今後のイラン屈服ないし交渉の「安着」につながるかは予断を許さない。イランの核保有がもたらす国際社会への脅威は深刻であり、トランプ政権がこれに実力行使で臨んだこと自体は間違いではない。
この点を過小評価すべきではない。イランの核保有はホルムズ海峡の封鎖以上の脅威だ。単純な「米国第一」ではないトランプ政権の深刻な危機認識がある。
NATO(北大西洋条約機構)諸国が米国とイスラエルの対イラン攻撃を表立って批判しないのは、ある意味で米国が〝汚れ役〟を買って出ている面もあるからだ。もっとも、特にイスラエルにとっては国家の存亡を懸けた戦いでもある。
トランプ氏には、同盟国はそれが分かっていながらなぜ積極的に関わろうとしないのかという強い不満があるのだ。「米国第一」は確かに同盟国との調整に欠ける。が、スピード感はある。乗員救出の作戦成功でイラン作戦は「トランプ、わが道を行く」の様相を強くしている。





